2025年5月の台湾の旅。
その目的は、台湾のトップクラスの著名なバイオリニスト林暉鈞さんとのコラボ演奏でした。
道友でありバイオリン職人の望月氏がいつか合わせたいと熱望していた台湾のバイオリニストです。
とても気さくなリンさんは、あったとたんに打ち解けます。
とっても温厚でいつもBuddhaのようにニコニコしています。
が、実はアクティビストでもあり、非常に熱い思想家でもあります。
彼の音は深い思想と人類への悲哀への情感で、なんと優しくおおらか✨
彼の音を聞いた瞬間に、世界中の苦しんでいる人々を癒す祈りの音だなと感じました✨🙏
私は彼とのコラボで、真の沈黙の空間を体感しました。
(その日の日記より)
↓
初めての音合わせ。数秒でピタッとお互いに気持ちがあった
林さんにとってはは初めてのクリスタルボウルとの演奏で、即興も普通はやらない
合図もなく、ただ音だけで会話する
10分ほどの演奏が阿吽の呼吸で終わり、一瞬ニコッと目を合わせ、あとは沈黙
誰も言葉を発しない
発する言葉がこの世界から消えたように
言葉が成立しない世界がある
長い沈黙の後、自然と演奏が始まる
お互いが自分を試しながら新しい音を探す
海の波のように
空を飛ぶ光のように
深海へと沈む木の葉のように
音が揺らぎ
自然と音が消える
沈黙
言葉では表せない魂の音が空間にあり、その中でただ溶け合う
豊かな、そして繊細なコミュニケーション
しばらくしてまた音が生まれる
いや、聞こえなかった音が可聴化しただけなのか?
始まりもなく終わりもない
一瞬の音が現れては消える空間
そして沈黙。。。
リンさんの音はあまりにもエモーショナルなのに破綻しない
クリスタルボウルはリンさんの音が大好きだ
バイオリンが歌い始めるとクリスタルボウルは増幅しながら一緒に歌う
この世のあらゆる思いを抱擁しながら
【林さんとのコラボ音源】
【プロフィール:林暉鈞 ヴァイオリニスト】
国立台南芸術大学 元音楽学部長(音楽学院長)
国内のトップバイオリニスト。
国立台湾大学哲学科に進み、哲学や現代思想に魅せられ、2011年より日本の思想家柄谷行人の著作の紹介と翻訳を行っている。著書に『倫理学21』『柄谷行人の政治論』『世界史の構造』『哲学の起源』『帝国の構造』など。翻訳書に『小山寺の夢見る僧侶』『村上春樹とユングが出会ったとき』『革命の実践』『子供と悪』『青春の夢と遊戯』『源氏物語と日本人』『感動の批評 カントとマルクス』など
社会活動家として街の再開発に抗する学生運動や台湾のひまわり革命に参加。音楽プラス社会意識や哲学も網羅した内面豊かな人です。
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